ピーターパン。
本腰を入れて、写真の世界にたずさわろう。
ということになったが、
いくつかの事情が重なり合って、
まずは、自転車に乗ることとなった。
「まずは」ということは、
その先にあくまでも写真があり、
自転車を用いることでより効率よく、
それらを手繰り寄せようという作戦である。
ただ。ロードバイクというのは、
実際に乗ってみるに、私が想像していたものとはかなり違っており、作戦どおりにいくかとうかは不透明である。
何がどう違っていたのたろう?
以前なら、これからたくさんの文章を駆使して、それらを説明せしめようとしたはずだが、どうもそんな気にならない。
52歳にもなって、意味もなくジグザグに走ったのがいけなかったのだろうか?
書く気にならない。
もう、どうでも良いような気さえする。
道につきだしている草木に自転車を寄せ、
わざと頬や腕にぶつけたのがいけなかったか?
どう違っていたかなんて、ささいなことに時間を割く気にならない。
そんなことより。
私が最初に買ってもらった自転車は
「ピーターパン」という機種?だった。
ハンドルが丸かったように記憶する。
私はそのピーターパンで、
補助輪なしで自転車に乗れるようになったそうだが、
何分、幼すぎて残念ながらその感動を覚えていない。
もったいないね。
先日。田んぼの横を走っていたら、
キジが驚き飛び上がり、束の間そいつと併走した。
ある時期。
双眼鏡やカメラを担いでやたらと鳥を追いかけたことがあったが、
追うといっても実際は静観しているのであって、
こんな風に張り合うような追いかけは初めてであり、
えらく感動したものだ。
自転車と再会してまだ3カ月ほど。
キジの感動に似たことが他にもあった。
それらの感動を今度書くかも知れないし、書かないかもしれない。
ともあれ。しばらくこうしたことは続きそうで、私は愛機でその隙間を縫うように走り抜け、
いずれは。
その先に待つカメラを拾い上げて旅立つつもりである。
振り返れば。そこにはピーターパン。
幼き脚でペダルを駆ろうと思ふ。