二眼流/まほろば丸

「手打そば&グリル まほろば」 蕎麦打ち担当。 「まほろば寫眞館」館長。

森野旧薬園(吉野葛本舗)への道

宇陀に移転して5年。

すっかりこの街に魅了されているが、せまい了見で行動している都合、やはり各種かたよりやら見落としがある。

そのひとつ。当店からほど近い「森野旧薬園」さんに先日(2022.3.16)、ようやく行くことができた。その様子やら、感想、「なぜこんな良いスポットに5年も行けなかったのか?」 そんなこんなの言い訳なんかも書き記そうと思う。

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1.森野旧薬園とは

吉野葛屋さんの裏山(裏庭)」という認識だったが、大まかには違ってなかったものの、改めて冊子をめくると、「日本最古の薬草園」「幕府がうんぬん」「徳川吉宗がどうの」「昭和天皇ご視察」等々、背筋が張るような文字群にたじろく。

私なりに要約すると(大丈夫か?)森野家代々の当主が、吉野葛製造にたずさわるかたわら、薬草木の収集、研究も継承してきたそうで、旧薬園はそれら物語の結晶、歴史そのものである。

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2.森野旧薬園への道 (福寿草

そんな歴史ある旧薬園にこれまで行けなかった理由はいくつかあるが、筆頭はこれだろう。→「近いからいつでも行ける」

「近い」とは実におそるべし魔物である。そしてその魔物に対峙し「近々行こうか?」となった強力なキーワードはこの「福寿草」。

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肩にカメラをさげたをお客様が「旧薬園の福寿草を撮りに来た」と話されたのがきっかけで興味をそそられた。正直なところ「フクジュソウ?」「どんな花?」って感じで、知らない分余計に気になる。要は、無知が魔物の「近い」を打ち破ろうとするからして、時として無知は偉大である。

3.森野旧薬園への道 (しゃばけ)

それでも、しばらくぐずぐずしていると。小説「しゃばけ」にドはまりしているという母娘さんご来店。しゃばけは、江戸時代の薬問屋が舞台。少しでもその空気に触れたいと、和歌山からわざわざ宇陀に、そして旧薬園に来られたそうで、

「良かった!」「ぜひ行ってみてください!」 と遠方の方が逆輸入的に背中を押すのがなんともブラボー。

ちなみに。宇陀は古くから「薬草」との関わりが強かったらしく、宇陀市のサイトにもこんな記載が。

『宇陀地域からは何人もの製薬企業[ロート製薬ツムラ(旧津村順天堂)、アステラス製薬(旧藤沢薬品)等]の創設者を輩出し、宇陀松山地区には、日本最古の「森野旧薬園」や薬問屋であった細川家跡の「薬の館」も存在します』

4.森野旧薬園へ

ということで、いざ旧薬園へ!

徒歩3分。ちか・・。

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立派なお屋敷や加工場跡を抜けるといきなりな裏山。

ズンズンズン。いや、よっこらよっこらと(運動不足や…)、斜面に切られた林道を何度かターンしながら登っていく。

桜にははやいのでほかに人影はなく、贅沢にも貸し切りだ。

時折我が都を見下ろし、ゆるい風の中に越冬をしみじみ感じたり。

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所々にある名札や説明書きをみながら、

「これがそうか?」などとのんびり過ごす。

一時間くらいの滞在だったかな? 良質な時間は瞬く間。

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そうそう、250種もの薬草木が楽しめるらしい。すご。

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草花、ましてや薬草に関しほぼ知識がないので、

無理して説明、総括するようなことはよすが

とにかくさすがは薬草園、「いる」だけで癒やされる感じ。

いやはや、なんでもっとはやく訪れなかったのかと。

【注意】→最初はそこそこ急な小道を登るので、必ず運動靴系&ラフな服装で。

5.吉野葛

改めて蛇足すると森野さんは吉野葛屋さん。

少し前(2004年)まで実際にここで製造していたそうだ。

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実は以前、私はほかで葛作りのバイトをしたことがある。

重く大きな桶、冷水を扱うきつい仕事で、音をあげギブアップした暗い過去が(涙)。それも、なかなか訪れることが出来なかった要因かも?

そういうのにもゆるく向き合えて良かった。

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宇陀の風景に「ハッ」となり、「よその星に引っ越してきたのか!?」

と感じることがしばしば。そういうスポットを「惑星UDA」と勝手に呼んでいる。

もちろんこの森野旧薬園さんも「惑星UDA」に認定。

カメラを持ってまた出かけようと思ふ。

 

morino-kuzu.com


追記.薬草

宇陀には「薬発祥の地」としての気運があり、先日も「薬草」「発酵」をテーマとした催しについての話を聞いた。当店が扱う「手打ち蕎麦」も「薬膳」としてとらえる向きもあるし、無添加グルテンフリーなど、従来からの取り組みも鑑み、これを機にちょっと見つめなおそうかな。

 

そうだ。最後に冊子のこの文字について言及しよう。

なんて読むんだろ。。。 

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